この作品は絵の中心となる主題をもっていない。画面はどの部分も主従がなく等価値である。そのため画面内での完結性をもたず、さらにつながり広がっていくかのようである。題名の「連」は坂本の作品のいくつかにつけられている。これは自然と人間との連(つな)がり、そして自然全体の連がりや調和を意味し、この連がりの中で地球上の全ては等価値となると考えている。また坂本は「グレ-の画家」と呼ばれるが、
[無彩色]の作品を多く描いている。色について坂本は「西洋絵画の黒には物と量感を感じ日本の黒には心を感じてきた。」と述べている。美しい黒である。