[瑛九]は生涯のうちで様々な画風に挑戦している。写実的に描いた時期、
[キュビスム]を追究した時期、抽象形態をとった時期と、その移り変わりは目まぐるしい。「彼は何でもやってみなければ承知の出来ない性格」と夫人が語るように、今までにあるあらゆる絵画のあり方を研究し、実際に試してみることによって、自分だけの絵画のあり方を見つけようとしていたのである。この作品は、
[瑛九]が
[キュビスム]を追求していた頃のものである。
[キュビスム]は、対象を直線や円に分解してとらえ、それを画面上で再構成する。この作品では、少女の服や手足、ギタ-が幾何学的な直線や曲線で描かれ、
[キュビスム]を意識して描いていることがわかる。