深い暗色を背景に浮かぶ無数の黄色い点は、宇宙の星が輝くさまと、広がりを表したものであろうか。画面から無限に吹き出してくるような色点の乱舞には、[瑛九]の感情の断面を思わす強烈な生命力を感じさせる。[瑛九]は、[シュルレアリスム]、[キュビスム]、[フォーヴ]ィスム、抽象などの様々な作風を試み、新しい世界へと入っていった。この作品は、[瑛九]の集大成ともいえる、色点による抽象表現に到達した晩年の作品である。