[瑛九]の油彩画は晩年の3、4年に制作意欲が爆発したようにその作品数も増え、質の高まりを増してくる。
[デモクラート美術家協会]の解散によって団体活動からも解放され、油彩作品制作一筋の生活に入る。そして、この時期の
[瑛九]は、「
[モンドリアン]の追求力には圧倒される。」などと
[池田満寿夫]に手紙を送っている。
[瑛九]は同じ所にとどまることをしない。絶えず作品は変化し展開していく。この作品は、画面いっぱいに様々な色の丸を敷きつめている。小さな丸の色は、それぞれが独立しているようであるが、作品の前に立つと、それぞれの色はとなりの色と響き合い、見るものを不思議な世界へ誘いこんでくれる。このあと、作品は丸がさらに小さくなり、微細な
[点描]による作品へと発展する。