[瑛九]は、
[エアコンプレッサー]による吹き付けの技法を「
[フォト・デッサン]を色で描いたようなもの」と言っている。この技法は、
[フォト・デッサン]と同じように型紙を使い、吹き付けによって彩色するものである。その効果も、ぼかしや、型紙によるくっきりした線、下の絵が透ける形の重なり等が共通している。描き出された世界も共通しており、夢のように空想的である。
[瑛九]は、技法の効果を計算しながら、同時に意外性を楽しんで制作していたのではないだろうか。そうして空想の世界を作り上げ、
[瑛九]はその世界の中で遊んでいたのであろう。この作品も吹き付けによる形や色の重なりが、空想的で詩的な世界を作り上げている。