[靉嘔]は、300点にのぼる
[瑛九]の
[銅版画]から5点を選び、原作の構図そのままに
[シルクスクリーン]を制作している。それらの作品はまるで、意識の水底にゆらめく
[瑛九]のモノクロームの幻想が、虹色のスペクトルを浴びて、光の中で呼吸し始めたかのように見える。「シグナルB」はその中の1点である。目に見えないものや非現実的なイメージを、ゼロから手探りで形にしていく
[瑛九]と、日常を取り巻くさまざまな物に虹をかけて、現実そのものを感覚の世界に取り込む
[靉嘔]。5組の
[銅版画]と
[シルクスクリーン]は、2人の芸術家のちがいを浮き彫りにしているが、それぞれの表現には
[前衛]的精神が秘められている。