[瑛九]は、写真を切り抜いてはり付けた、
フォト・[コラージュ]を昭和11年から12年にかけて何点か制作している。
[コラージュ]は、
[キュビスム]に始まり、
[ダダ]や
[シュルレアリスム]により多く用いられた技法であるが、早くから
[前衛]的な思想を研究していた
[瑛九]は、これらの手法を自分の作品に取り入れたのだろう。また、これらの作品は
[フォト・デッサン]と同じく写真を使ったさまざまな表現方法への探究心から生み出された作品とも言えよう。
フォト・[コラージュ]は、写真を部分的に切り抜き合成することによって、全く違った非現実的な世界をつくりあげる。この作品に登場する指と眼は
[エッチング]や
[リトグラフ]などでもしばしば取り上げられており、
[瑛九]にとっては重要な
[モティーフ]である。