[瑛九]は、
[フォト・デッサン]において、レースや針金を利用して画面におもしろい調子をつくりだしている。レース柄の象や、網目模様のバレリーナなどが登場し、幻想的なふんい気をかもしだす。
[瑛九]はこれらを油絵の下塗りの効果や、版画の持つ表現効果から学んだものが多いと言っている。この作品でも、ガラスやセロファンなどの光を通すものに細かな線を描いて下地をつくっている。ここでは、それらの下地が背景だけに用いられており、画面はグレーの背景と白黒の
[モティーフ]にくっきりとわけて構成されている。
[瑛九]の
[フォト・デッサン]の中では、比較的具象的な作品になっている。