聖具係は、教会で清掃や戸締まりをしたり、神父や司祭の手伝いをする職業である。長い歴史を持つイタリア彫刻においては、偉人や英雄、社会的に身分の高い人をテーマにした作品が多いが、ロッソは人々の日常生活や人間の内面を表現する作品を制作した。 この作品は、顔の細かな表現よりも人物をとりまく空間に主眼をおき、輪かくを壊すことで出来る作品表面の光の動きに着目している。ロッソは彫刻の対象をとらえる時、対象の形は周囲との関係によって作られていると考え、作品の見られるべき方向を定めようとした。この作品はレリーフ状で、ロッソが意図した鑑賞の視点がはっきりと示されている。