めがね橋は、熊本営林局により川内川最上流の大平官行から飯野駅貯木場までの木材搬出用に建設された3連アーチ橋で、昭和2(1927)年に着工し、翌年完成している。正式名は「月の木川橋」で、他に「太鼓橋」とも呼ばれている。
工法としては、まず基礎部を造り(飯野町の建設業者 片平熊太郎氏施行)、アーチ形に櫓を組んでそれに合わせて1個1個の石(50㎝角)を積み重ね、最後にアーチの一番中央に親石と呼ばれる五角形の石を組み込んで造られている。完成時点の最後に櫓をはずす際には1個の木を抜けば、すべての櫓が崩れるようにしてあったと云われている(橋本体は鹿児島県日置郡串木野の肥田佐兵衛氏施行)。
材料となる石は、この有島川上流の「土川」で切り出し、木馬で運搬したものを使用している。
木材搬出用に敷設された軌道は、昭和37(1962)年に廃止され、自動車が通るようになったが、現在は、安全上の理由で車両通行禁止となっている。