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バベル
 ( バベル )

「バベル」 柄澤 齋
技法 木口木版
素材 紙、雁皮紙、インク
大きさ 10.8×8.7
制作年 1973(昭和48)
作家名 柄澤 齊
作家名フリガナ カラサワ ヒトシ
所蔵館 宮崎県立美術館
 バベルとは、ヘブライ語でメゾポタミアの古代都市バビロンのことである。旧約聖書には「バベルの塔」の建設と崩壊の物語が記されている。ルネサンス期以降は、円すい形の巨大な塔に、らせん状の通路をめぐらした形で表現されている。
 この作品は、貝殻の渦巻きと「バベルの塔」のイメージを重ね合わせて描かれている。生き物の繊毛状の物体が貝を覆いつくし、やがて飲み込もうとしている。「滅んだもの、滅びつつあるもの、滅びを約束されたもののみを私は愛したい」と語る柄澤は、漆黒(しっこく)の画面に滅びゆくもののイメージを緊張感を持って描き出している。

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