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櫻川
 ( さくらがわ )

技法 油彩
素材 カンヴァス,油絵具
大きさ 130.8×162.4
制作年 1985(昭和60)
作家名 仲矢 勝好
作家名フリガナ ナカヤ カツヨシ
満開に咲き誇るしだれ桜の下、小舟に横たわる悲しげな女性。舟には女を振り返り見つめる、白い狐のような生き物。
 能の「桜川」は、日向の国(現在の宮崎県)の母と子の物語である。貧しい生活に苦しむ母を助けようと、息子は人買いに自ら買われ、故郷を後にする。それを知った母は嘆き悲しむあまり正気を失い、我が子を探す旅に出る。数年後、茨城県の桜川にたどりつき、母子は再会を果たす。
 緻密で丹念な筆使いで、ドラマティックな場面を幻想的に描き出している。同時に、子を探し求める母の悲哀や狂気さえ感じさせる作品である。
 昭和60年、第37回宮日総合美術展で特選一席、宮崎日日新聞社賞を受賞した作品である。