『鏡の国』はもともと、ベルギーの作家クロード・スパークの短編集のさし絵として構想された。クロード・スパークは評論家、詩人でもあり、デルヴォーのごく親しい友人の1人だった。デルヴォーは「麗しき最期の日々」、「醜い男」、「嵐」の3つの短編のために、扉絵、1ページ大のさし絵など、様々なパターンの原画を用意した。しかし、2人の間に起こったもめ事のために、本は結局さし絵なしで出版された。この連作
[銅版画]は、1948年に描かれた原画から16点を選んで銅版画に作りなおし、デルヴォーとその協力者が水彩を施して仕上げたものである。