月光がふりそそぐ深く静かな森。月の光を背に受けた複雑な木々の枝。この静けさの中にとけこむようにフクロウもひっそりと息づく。人間が立ち入ってはいけない神聖な森に迷い込んだようで幻想的な世界に引き込まれそうである。月の光と木々の影の対比、大自然の中でのフクロウの存在感など綿密に構成されている。
この作品は主に
[岩絵具]を使い、それを
[膠](にかわ)でといて描いているので画面は光沢のないしっとりとした色調となっている。
古峰は早くから県展(現宮
[日展])に出品を重ね、昭和29年には無鑑査となっている。この作品は昭和33年の第10回県展に出品したものである。