「虹の18
[グラデーション]の絵具を同量18色交ぜ合せたらこんな色になった。ときには金色に見えることもある。それで西洋人は虹の最期は金だというのだろうか?」
[靉嘔]は、虹色を用いて作品を制作するが、この作品では、それらの色を一度にまぜて使っている。下の方に取り付けられた扇風機は、実際に風を送ることができる。その風をうけて脚立(きゃたつ)にかけられたビニール袋がはためく。
[靉嘔]は、「風を感じるとき生きているという実感がある」と言っているが、自分の実感を文章で表現するでもなく、何らかのイメージに託すでもなく、実際に作品の中で風を送って表現している。