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地蔵菩薩坐像(一躯)

 ( じぞうぼさつぞう(いっく) )

指定者
種別 有形文化財
指定年月日 H9.10.23
所在地 高千穂町大字上野3368-乙番地(龍泉寺地蔵堂)
 地蔵菩薩座像は桧材の一木彫成像で、頭体共木からなる。技法の上で平安前期以来の一木造の内刳法によりながら表現の上では平安後期の和様による温和な作風である。しかし、浅彫りの衣文等、細部の刻み出しには、かなりの類型化がみられ、地方色が進行している。年代的には平安末期(12世紀後半)の造像でその作ぶりは、北部九州、特に大分県宇佐・国東地方と考えられている。
 地蔵菩薩坐像が安置されている龍泉寺は第82代鳥羽上皇の第3皇子寒厳義尹(かんげんぎい)鳳凰禅師(永平寺第4祖)開山と伝えられ、開基は三田井氏と言われている。天正年間の大友の兵火やその後3回の大火に遭いながらも、本尊釈迦如来、千手観音菩薩坐像とともに火難をのがれ、七百有余の永きわたり、広く信仰されている。
 特に地蔵菩薩坐像は火伏地蔵として広く信仰を集め、旧正月24日には龍泉寺火伏地蔵祭が行われ、「上野臼太鼓踊り」や「柚木野人形浄瑠璃」等が奉納されている。

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