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土層が語るもの

?私たちの先祖が生活した証であるさまざまな住居跡や墓、土器や石器などの暮らしの道具は地中に埋まっているのが普通です。

土層が語るもの地面を形成している土(土壌)は、岩石を主な供給源として気候や生物、河川による浸食・堆積作用、火山活動などによって形成されます。土は、幾つもの層を成しながら堆積し深い層ほど古い時代に形成されているという原則があります。

このように土の堆積は、出土する遺物の年代の新旧を決定する重要な要素の一つとなっています。
特に、南九州地方は活発な火山活動によって降灰した姶良Tn火山灰(AT)や鬼界アカホヤ火山灰のような年代決定の「ものさし」となる火山灰層が地域によって数種も堆積しており、出土する土器や石器の年代の特定に大きな役割を果たしています。

姶良Tn火山灰(AT)〔 約2万8千年前噴火 〕
現在の桜島がある鹿児島県の錦江湾にあった姶良(あいら)カルデラの大噴火による火山灰です。大規模な爆発により火山灰は日本中に降りそそぎました。当初、関東の丹沢(たんざわ)山地で研究されたため、姶良・丹沢という名前がつきました。旧石器時代の南九州の自然環境に大きな影響を与えた代表的な火山灰です。
鬼界アカホヤ火山灰〔 約7千3百年前噴火 〕
鹿児島県種子島の西方海上にあった鬼界(きかい)カルデラの大噴火による火山灰です。この時も遠く本州北端にまで降灰しています。縄文時代早期の南九州をはじめ西南日本の自然環境に大きな打撃を与えた火山灰です。
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