彫刻家や詩人として、その才能を幅広く発揮したアルプは、画家としても、
[レリーフ]と同様、平面作品においても、その特徴は丸みを帯びたユーモラスな形態にある。
『たがをはめ直された太陽』は、自作の詩と木版画20点からなる詩画集に、そのうちの15点を和紙に刷った版画をセットにしたものである。アルプが亡くなった年に刊行され、平面作品の集大成とも言える作品である。無駄なものが省かれた単純な形と様々な色彩が自由に組み合わされ、豊かな表情を見せている。その形態は、抽象的でありながら人体や植物の形をイメージさせ、見る者に親しみを感じさせる。