この作品は、9つの章で構成された
[コラージュ]小説、「百頭女」の中の一点である。全部で147の絵から成る「百頭女」は、まったく関係のない絵どうしが短い文章を伴い、たびたび前後のつながりを絶ちながら続いていくという奇想天外な絵物語である。
袖をひろげた「百頭女」が登場する場面は、19世紀の雑誌や科学書の挿絵などからイメージを拾い集めたものと思われる。どの部分をつなぎ合わせたか分からないよう、巧妙な手際で切り貼りされている。既製のものを自在に組み合わせて新しい美を見出すという
[コラージュ]は、1930年代以降の美術界に大きな影響を与えた。