[フォト・デッサン]は、印画紙に光で描くデッサンという意味で、
[瑛九]が考えた言葉である。一般には
[フォトグラム]という。印画紙に当てる光の強さや、光をさえぎる物の形、光が反射した物の質の違いで、微妙な白と黒の濃淡を表現することができる。この作品では、型紙を切り抜いた穴の部分に、針金などを置き光を当てる。光が当たった部分は黒く浮き上がり、針金などを置いたところは白く残る。また背景は、ガラスに筆などで描き、光でその筆のあとを印画紙にうつしている。このようにして
[瑛九]は微妙な光と影の世界をつくりだしている。