詳細

戦死輜重一等兵
 ( せんししちょういっとうへい )

坂本正直「戦死輜重一等兵」
技法 油彩
素材 カンヴァス、油絵具
大きさ 116.7×90.9
制作年 1986(昭和61)
作家名 坂本 正直
作家名フリガナ サカモト マサナオ
所蔵館 宮崎県立美術館
黄土色の背景に、使い古された飯ごうが描かれ、ふたの上には小さな白い野菊と、兵士が軍服の肩に付ける肩章が置かれている。輜重(しちょう)兵とは、軍需品の輸送や補給を担当する兵士のことで、坂本は、自身も輜重兵として戦地におもむいた経験を持つ。
 本作は、戦地で亡くなった友人の骨を飯ごうに入れ、生き残った仲間たちで交替しながら持ち歩いたという体験をもとに描かれたものである。飯ごうの上に置かれた花と肩章は、その中に戦友の遺骨が入っていることを暗示していると言う。
 坂本は、自らの戦争体験を制作活動の原点とし、生涯に渡る重要なテーマとした。戦友の死や戦地に置き去りにされた軍用馬など、戦争の現実を正面から見つめた作品を数多く描いている。

関連情報

坂本 正直  ( サカモト マサナオ )
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作家名 坂本 正直
フリガナ サカモト マサナオ
生地 宮崎県宮崎市
生年 1914(大正3)
没年 2011(平成23)