詳細

梵鐘

 ( ぼんしょう )

指定者
種別 有形文化財
指定年月日 S46.6.11
所在地 日向市東郷町大字山陰丁(東郷東公民館)
 梵鐘とは寺院で用いるつりがねの呼び名である。多くは鐘楼に吊り、撞木でうち鳴らすものである。
 ここで紹介する日向市東郷町の梵鐘は、紀年銘を有するものでは県内で最も古く、天文18(1549)年の銘がある。もとは東郷町山陰地区の冠岳山頂にある羽坂神社にあった。梵鐘の高さ68.3cm、口径43cm、銅製で竜頭(梵鐘上部にある吊り下げる部分)は、やや小さく、上部にある乳と呼ぶ突起は4段4列である。乳の下部、胴部の中央に銘文が刻まれている。撞座(梵鐘を打ち鳴らす時撞木があたる部分)は2箇所あり、文様は磨滅している。
 小型の梵鐘ではあるが、乳の形状、撞座の位置が少々高くなっているところなどが古い様式を表している。また、銘文から冠岳が新納院の一部であったことを示し、歴史的な見地からも貴重な資料となっている。