尾八重神楽(おはえかぐら)
Ohae Kagura

※令和5年3月 国の重要無形民俗文化財に指定されました。

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15分版 15min

2時間版 2hrs

【尾八重神楽】
  尾八重神楽が継承されている西都市尾八重地区は、宮崎県中央部に位置し、日本最大級と言われる西都原古墳群(さいとばるこふんぐん)を有する西都市(さいとし)の北東、山間部にある集落である。一ツ瀬川(ひとつせがわ)の上流に当たるこの一帯を、古くは「米良山(めらやま)」と称した。
  尾八重神楽は、西都市都萬神社(つまじんじゃ)の社人(しゃにん)であった壱岐宇多守(いきうたのかみ)により保安(ほうあん)2年 (1121)に始められたと伝えられている。米良山湯之片(ゆのかた)の地に籠堂(こもどう)を建て、修験道(しゅげんどう)を説き、神楽を伝授したとされる壱岐宇多守は、「湯之片若宮大明神(ゆのかたわかみやだいみょうじん)」として、「幣差(ひさし)」の連結舞である五番神楽「花鬼神(はなきじん)」にて降臨する。八番神楽「宿神(しゅくじん)」は、壱岐家が、氏神として京都の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)より勧請(かんじょう)を許され、「石清水正八幡大明神(いわしみずしょうはちまんだいみょうじん)」として尾八重神楽最高の神格をもって降臨される。
  神楽は多くの人々が「産まれ」「生き」「逝く」その先を念じて始められた祈りの文化と伝えられている。特に祈りの原点となる自然崇拝の思想が舞の中に色濃く反映されている。
  舞の随所に見られる飛び跳ねる動作は、「反閇(へんべ)」「カラス飛び」とよばれており、尾八重神楽を象徴する所作である。
  尾八重神楽は現在、尾八重神社にて秋の例大祭にて奉納されるほか、打越(うちこし)地区の宿(しゅく)神社や、湯之片神社の例大祭(れいたいさい)、尾八重祖霊社(それいしゃ)の祖霊祭(それいさい)などで奉納されている。
  尾八重では神楽を舞う人のことを社中(しゃじゅう)と言う。令和3 年(2021)現在、社中は28名在籍しており、伝統を忠実に守りながら神楽と文化の継承を行っている。「社中会(しゃじゅうかい)」は県内外での各種行事に参加するほか、自発的に県外神社への神楽奉納も行っている。

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