「東京の2坪の庭にケンタッキーのブルーグラスという芝生を植えた。少し怠けるとのびすぎてこの芝刈り機はもう使えない。レコードはビートルズのアービーロード。初版はケンタッキーで、そして何百回とかけ、1才の花子はそれをしゃぶってもうきずだらけ。そして今の4枚目はCDに変わった」。ここには、
靉嘔の日常生活と密接な関係にあるものばかりがはりつけられている。はりつけるために買ってきた道具をはりつけるのと、作家が日常生活で実際に使った道具をはりつけたのとでは、作品の持つ意味は違ってくる。結果として目の前に提示された形は同じでも、作家とものとの関係や、制作過程まで含めた作品の在り方は全く違うのである。