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みやざき埋文ミニ知識

土器に残った窪(くぼ)み

 土器に見られる窪みの中には、土器に混入した植物や昆虫などが、土器づくり等の焼成によって炭になったりなくなったりして、その痕跡のみがスタンプ状に残っているものがあります。このような土器にみられる窪みのことを圧痕(あっこん)といいます。
 この圧痕にシリコーンを流し込んで凸面をつくり、電子顕微鏡(でんしけんびきょう)で観察することによって、宮崎県内の土器の中にも多種多様な圧痕が残っていることが分かってきました。圧痕を調べると、昔の人々がどのような自然環境の中で生活していたのかについて様々な物証を得ることができます。

圧痕の例〔内野々遺跡(うちののいせき)〕
マメ科(アズキ属?)
コクゾウムシ
くぼみにシリコーンを流し込み固めたもの
 都農(つの)町の内野々遺跡の土器から見つかった圧痕の多くはマメ科(ダイズ属やアズキ亜属)の植物種子ですが、注目は昆虫(コクゾウムシ)の圧痕です。
  コクゾウムシは稲や麦の実の内部を食べて育ち、「米食い虫」とも呼ばれています。そのため、稲作と結びつけられて考えられることが多いのですが、最近では鹿児島県内で稲作の始まっていない縄文時代早期(約1万500年前)の土器からコクゾウムシの圧痕が見つかり「稲作とコクゾウムシを結びつけた従来の考え方」に疑問(ぎもん)を投げかけるなど注目されています。

 内野々遺跡の圧痕のあるこれらの土器は縄文時代後期(約4,500年前~約3,000年前)のものであり、食物を貯蔵(ちょぞう)していたことを示す間接的証拠(かんせつてきしょうこ)であるとともに、栽培(さいばい)の可能性を秘めた資料として注目されています。
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