宮崎県立美術館
宮崎県立美術館外観 ロビー

コレクション展

当館の収蔵作品を紹介するコレクション展。郷土作家はもちろん、海外の著名な作家の作品も多数紹介しており、
県外から来られたお客様にも大好評をいただいています。コレクション展は年に4回、多彩なテーマを設けて開催します。

令和5年4期コレクション展 2024年1月5日(金)から4月9日(火)まで 観覧無料

名品セレクション +美術と音楽

 宮崎県立美術館は、現在約4,200点の作品を収蔵しています。これらは、次の3つの収集方針に基づいて収集されています。
1.郷土出身作家及び本県にゆかりのある作品
2.わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作品
3.海外のすぐれた作品
 ここでは、当館のコレクションを代表する国内外の名品を展示しています。今回は、広大な大地の上に巨大な岩が浮かぶ風景を描いたルネ・マグリットの「現実の感覚」、人々が集まり、歌い踊る様子を描いた北川民次の「ファンダンゴU」などを紹介しています。  また、音楽に関係する作品や音楽を感じさせる作品を特集展示します。美術史に名を残す作家たちの名品の数々をご堪能ください。

ポール・シニャック「ヴェニス, サルーテ教会」

ポール・シニャック
「ヴェニス, サルーテ教会」

 

宮崎の美術 −特集 塩月桃甫

 明治期以降、日本の美術は急激な西洋化の波にさらされます。日本の洋画家たちは、西洋画の写実表現や遠近法などを取り入れ、独自の表現を求めて模索を続けました。このような状況下で、国が主催する文展が創設されます。本県の洋画家では、西都市出身の塩月桃甫が、大正5(1916)年に文展入選を果たしました。また、都城市を代表する山田新一は、大正14(1925)年に文展を前身とする帝展に初入選し、中央画壇で活躍しました。一方、伝統的な日本画の世界においても、西洋画の要素や特徴を取り入れた新しい「日本画」への取り組みが進みました。本県を代表する日本画家として、文展で受賞を重ねるなど日本画界をリードした都城市出身の山内多門、同じく都城出身で、大正4(1915)年の文展において初入選で褒状を受けた益田玉城が挙げられます。
 ここでは、これら宮崎県を代表する画家たちの作品を中心に紹介するとともに、没後70年を迎えた塩月桃甫にスポットを当てた特集展示も行います。本県出身やゆかりの作家による多彩な作品をお楽しみください。

塩月桃甫「裸婦」

塩月桃甫
「裸婦」

 

画家の目線

 風景画を描くとき、画家は風景のどの部分を切り取るか、近景と遠景の表し方や構図など、様々なことを考えながら描きます。例えば、画家がどんな位置からその景色をとらえるかによって、画面上の地平線や水平線の位置は変わります。
 久野和洋の作品は、地平線が画面の低い位置にありますが、小野彦三郎や野田典男の作品は、水平線が高い位置にあり、対象を見下ろすように描かれています。小野の作品は平面的な表現などから日本画風と言われますが、高い視点からのとらえ方は、浮世絵などの画面構成を思わせます。一方、塩水流功、松本英一郎の作品は、同じような低い位置に地平線、水平線があり、遠くからとらえられた風景ですが、松本の作品には白とピンクの層をなす雲形などが描かれており、心の目で見た風景になっています。
 画家の目線を意識しながら、それぞれの作品世界を味わってください。

久野和洋「地の風景・二本の樹」

久野和洋
「地の風景・二本の樹」

瑛九の眼

 瑛九(本名:杉田秀夫)は、明治44(1911)年に、宮崎市内で眼科医をしていた杉田直の6番目の子供として生まれました。兄は父と同じ眼科医になりましたが、瑛九は親の反対をものともせず、画家を目指して突き進んでいきました。瑛九は学校で美術を習うことになじめませんでした。しかし、自ら専門書などで古典や近現代の美術を研究したり、実際に様々な作品を見たりすることによって、芸術を見る目を育てていきました。また、友人への書簡や、雑誌・新聞等に寄稿した文章では、自分の作品も含め、批判的に見ることなどを訴えていました。
 瑛九の作品の中には、「目(眼)」が題名になっていたり、モティーフとして描かれたりしているものが多くあります。瑛九にとって、眼は最も身近で、気になるものだったのでしょう。ここでは、瑛九が「目(眼)」を描いた油彩や版画とともに、同時期に描いた様々な作品や資料を展示します。芸術に対する瑛九のまなざしを感じてください。

瑛九「眼が迴る」

瑛九
「眼が迴る」

 

イタリア現代彫刻 3人のM

ここでは、名前の頭文字から3Mと呼ばれた、20世紀イタリアを代表する3人の彫刻家を紹介します。
 アルトゥーロ・マルティーニ(1889−1947)は、イタリア彫刻の長い歴史と伝統に向き合い、様々なスタイルや素材で制作しました。彫刻を絵画的に表現することを探求し、現代イタリア彫刻の方向を変えたとも言われています。
 マリノ・マリーニ(1901−1980)は、はじめ絵画や版画を手がけていましたが、古代イタリアのエトルリア美術やマルティーニの作品に影響を受け、彫刻を中心に活動するようになりました。馬と騎手の彫刻や肖像彫刻を数多く手がけ、国際的な名声を得ました。
 ジャーコモ・マンズー(1908−1991)は古代ローマ彫刻に強い影響を受け、古典的な格調を持ちながら情感豊かな作品で世界的な人気を博しました。代表的な主題の一つが「枢機卿」です。
 伝統にとらわれることなく、絶えず新しい形象を追求し続け、後続の作家たちに大きな影響を与えた3人の巨匠の表現をお楽しみください。

アルトゥーロ・マルティーニ「アマゾンの死」

アルトゥーロ・マルティーニ
「アマゾンの死」

 

ギャラリートーク

 展示の見どころや作品について、分かりやすくお話しします。
 途中からのご参加も可能です。お気軽にご参加ください。


  • 場所:コレクション展示室
  • 所要時間:30分程度

   参加無料・申込不要

日時 テーマ 場所
 4月14日(日) 14:00〜 コレクション展(第1期)の見どころ 全室

みやざきデジタルミュージアム
コレクション展で展示している当館収蔵作品の画像や解説等(一部)がご覧になれます。


令和6年度のコレクション展
※内容等につきましては、都合により変更する場合があります。

第1期

名品セレクションT
+美術と音楽
宮崎の美術
−特集 塩月桃甫
画家の目線
 瑛九の眼
イタリア現代彫刻 3人のM

 

マグリットや北川民次などの名品を展示するとともに、音楽に関係する作品を特集します。
山内多門、鱸利彦ら本県を代表する作家たちの作品とともに、没後70年を迎えた塩月桃甫の作品をまとめて紹介します。
風景画における画家の目線をテーマに、水平線や地平線に着目して久野和洋や野田典男らの風景画を紹介します。
瑛九の重要なモティーフの一つと言える「眼」。様々な作品に描かれた眼を通して、瑛九の芸術に対するまなざしを探ります。
現代イタリア彫刻に大きな影響を与えた3Mと称されるマルティーニ、マリーニ、マンズーの作品を紹介します。

令和6年4月13日(土)
〜6月30日(日)

第2期

たのしむ美術館

 

子どもから大人まで、どなたでも気軽に美術を楽しんでいただける展覧会です。すてきな発見や感動が待っています。

令和6年7月9日(火)
〜10月1日(火)

第3期

名品セレクションU
+パリの日本人画家たち
宮崎の美術
−クローズアップ1914
画家と戦争
瑛九と仲間たち
ミングッツィ −愛と優しさ

 

ボナールやオノサト・トシノブなどの名品を展示するとともに、日本人画家たちがパリで制作した作品を特集します。
益田玉城、塩月桃甫ら本県を代表する作家たちの作品とともに、1914年に生まれた5人の郷土作家の作品を紹介します。
ピカソやルオー、浜田知明らにより制作された、戦争をテーマにした作品や戦争を背景とする作品を紹介します。
瑛九と美術団体などにおける仲間たちとの交流を、当時の資料や作品とともに紹介します。
戦争の体験から、人間の運命、愛、優しさを表現したミングッツィの作品を紹介します。

令和6年10月5日(土)
〜12月22日(日)

第4期

名品セレクションV
+名作へのオマージュ
宮崎の美術
−めでたづくし
人体表現
瑛九 1925-1959

 

デュシャンや中澤弘光などの名品を展示するとともに、名作をオマージュした作品を特集します。
山田新一、小野彦三郎ら本県を代表する作家たちの作品とともに、日本で吉祥とされるモティーフが描かれた作品を紹介します。
メッシーナやマスケリーニらが人体を表現した彫刻作品を、もととなったイメージや形態などの視点から紹介します。
瑛九の画業を、萌芽期、展開・彷徨(ほうこう)期、開花期に分け、資料とともに紹介します。

令和7年1月9日(木)
〜4月8日(火)

 

過去のコレクション展はこちら(PDFファイル 705KB)